Web制作の現場では、クライアントから様々な形式で原稿が共有されます。
特に、WebサイトのスクリーンショットをExcelに貼り付け、その隣に修正指示などのコメントを記入した原稿をxlsxファイルでいただくケースも多くあります。
現在の制作環境では、メインツールとしてGoogle Workspaceを導入しています。そのため、表計算ソフトはGoogle スプレッドシートを主に使用しており、作業用のPCではMicrosoft Officeがインストールされていませんでした。
クライアントからいただいたExcelファイルをスプレッドシートで開くと、特に作り込まれたファイルで、画像や図形の位置がズレたり、レイアウトが崩れたりするという事象がしばしば発生しました。
これでは、原稿の意図を正確に把握するために余計な確認の手間が発生したり、指示の抜け漏れを見逃してしまったりするリスクがあります。
また、クライアントによっては、こちらから提出する資料もxlsx形式での指定があるものの、Googleスプレッドシートから書き出したファイルが先方でどう見えているか確認できないという問題もありました。
そこで最近、「Polaris Office(ポラリスオフィス)」という買い切り版のオフィスソフトを導入してみました。
サブスクリプションではないため一度の購入で済み、比較的手頃な価格で試しやすい点が導入の後押しになりました。
このソフトをExcelの代わりとして使ってみて感じたことを共有します。
まず利点として、導入の目的であったExcelファイルの高い再現性が挙げられます。スプレッドシートで発生していたレイアウト崩れはほとんどなく、原稿の読解がスムーズになりました。
また、メニューやショートカットなどがExcelに近い感覚で操作できるため、学習に時間を割く必要がなかった点もメリットだと感じています。
Excelとの違いとしては、マクロ(VBA)の実行には対応していない点が挙げられます。
またローカルでの操作のため、Google スプレッドシートのようなリアルタイムでの共同編集はできません。
現状の業務では今のところ支障ありませんが、高度な機能が必要な場合はやはり専用ソフトが必要です。
実際に使ってみて、Officeファイルは主にローカルでExcelファイルの閲覧と簡単な編集ができれば十分というニーズに対しては、Polaris Officeはコストパフォーマンスに優れたツールだと感じています。
今回の件に限らず、制作現場では日々こうした小さな不便が発生します。情報を探していると、今回のように、ふとしたきっかけで悩みを解決してくれるツールやアイデアに出会えることもあります。
ご自身の目的や環境に合わせて、最適な選択肢を探してみるのも良いかもしれません。今後もこうした小さな工夫を重ね、より良い制作環境を模索していきたいと思います。