Webサイトや改修・改善プロジェクトを進めるにあたり、「どのような手順で進めるか」は、プロジェクトの成功を左右する重要な要素です。近年、「アジャイル」や「スクラム」といった言葉を耳にする機会が増えましたが、これらは数ある手法の一部に過ぎません。
この記事では、Web制作やサイト改修における代表的な「サイト改修方法」と「管理方法」について解説し、伴走型のデジタルマーケティング支援を行う当社が、継続的な支援の中でこれらをどのように実践しているかをご紹介します。
システム開発やWeb制作の現場では、大きく分けて2つの主要な開発手法が存在します。
どちらが優れているというわけではなく、プロジェクトの目的や規模、予算の決まり方によって最適な手法を選ぶことが重要です。
Web制作やサイト改修でこれまで一般的だったのは、「ウォーターフォール型」と呼ばれる手法でした。滝の水が上から下へ落ちるように、「要件定義」→「設計」→「開発」→「テスト」と、工程を順番に進めていきます。
Excelやスプレッドシートで「ガントチャート(工程表)」を作成し、「いつまでに何をするか」を厳密に管理する手法です。この方法は、「サイトリニューアル」や「新規作成」のように、納期や予算が確定しているプロジェクトにおいては、全体のスケジュールが見通しやすく、予算内で進めやすいという大きなメリットがあります。
一方、アジャイル開発の代表的なフレームワークである「スクラム開発」では、最初からすべての仕様を固定することはしません。「スプリント」と呼ばれる1週間から1ヶ月程度の短い期間を区切り、その期間内で「計画・開発・確認」のサイクルを反復します。
短いサイクルで区切るため、「優先順位の変更」や「追加要望」が発生しても、次のサイクルですぐに計画を修正することが可能です。これが、スクラム開発が「変化に強い」と言われる最大の理由です。
Webサイト改修やシステム開発において、紙の仕様書だけで完成形を完全にイメージすることは困難です。スクラム開発では、1週間や1ヶ月といった区切りで定期的に「動く成果物」のレビューを行います。
クライアント様も進捗状況を常に把握できるため、制作過程がブラックボックス化せず、安心して完成を待つことができます。また、その場でフィードバックを行いながら次の工程(スプリント)に進めるため、「想定していたものと違う」という認識の齟齬を最小限に抑えることが可能です。
長期間をかけて最後にまとめてテストを行う場合、根本的なミスが発覚すると修正に多大な労力を要します。スクラム開発では、小さな単位で開発とテストを繰り返すため、問題が発生しても早期に発見できます。
影響範囲が小さいうちに修正できるため、プロジェクト全体が大きな失敗に終わるリスクを最小限に抑えることができます。
スクラム開発では、チームメンバー自身が「このスプリントで何を作るか」「どのように進めるか」を計画し、決定します。自律的にタスクを管理するため、メンバー一人ひとりの責任感やモチベーションが高まり、結果としてチーム全体の生産性向上や、より質の高いプロダクト作りにつながります。
スクラム開発は万能ではありませんが、特に「状況の変化が激しいプロジェクト」においては、その柔軟性が大きなメリットとなります。具体的には、以下のようなプロジェクトがスクラム開発に向いています。
「まずはリリースして、ユーザーの反応を見ながら機能を拡張したい」という場合。
すでに一定の売上があり、「さらに数値を伸ばしたい」「トレンドに合わせて機能を追加したい」というフェーズのサイトです。ユーザーの反応を見ながらスピーディーに改善を繰り返す必要があるため、スクラム開発が非常にマッチします。
不確定要素が多く、試行錯誤が必要な場合。
逆に、以下のようなケースでは、従来のウォーターフォール型の方が効率的な場合があります。
単純なコーポレートサイトの立ち上げや要件が固まっているECサイトの初期構築など、ゴールが明確な場合は計画通りに進める方がコストを抑えられることもあります。
「期日までに全機能を実装する」ことが最優先の契約では、柔軟性が特徴のスクラムの利点を活かしきれないことがあります。
私たちもデジタルマーケティング支援を行う中で、お客様のWeb戦略に伴走するために独自のスクラム体制を採用しています。特徴的なのは、案件の性質に合わせて「スクラム開発」と「マイクロウォーターフォール」を柔軟に組み合わせている点です。
ここでは、当社の具体的な進め方のパターンを4つご紹介します。
ShopifyやEC-CUBEなどのECカートシステムの機能開発、あるいはWordPressの投稿機能拡張などでは、最初から完璧な機能を目指すと時間がかかりすぎてしまいます。そこで、まずは最小限の機能(MVP)で開発を行い、素早くリリース(マイクロリリース)します。
そして、次のスプリント(開発期間)で「UIの改善」や「機能追加」といったブラッシュアップを行います。実際の利用データやフィードバックをもとに改善できるため、無駄のない効率的な開発が可能です。
一方で、特定のページをフルリニューアルする場合などは、「マイクロウォーターフォール」という手法を採用することがあります。これは、通常のウォーターフォールのように数ヶ月かけるのではなく、最小1ヶ月程度の短い期間に工程を凝縮して進める方法です。
このように、ゴールが明確な案件については、短い期間で計画的に工程を踏むことで、手戻りなく確実に完了させることができます。
「ページの改修を行いたいが、効果を見ながら進めたい」という場合は、ページ全体を一気に直すのではなく、段階的にリリースすることもあります。
例えば、まずはユーザーの目に一番触れる「ファーストビュー(FV)」だけを改修してリリースします。その効果検証を行っている間に、セカンドビュー以下の改修を進めていく、といった柔軟な対応も可能です。これにより、ビジネスの機会損失を最小限に抑えることができます。
Webサイトの顔となるトップページなどの重要なデザイン制作においては、「セットベース開発」の考え方を取り入れています。
最初から一つの案に絞って作り込むのではなく、方向性の異なる複数の案をミニマム(ラフ案など)で作成し、比較検討を行います。
複数の可能性を並行して検討し最適な方向性を決定(採用)してからブラッシュアップを行うため、手戻りを防ぎながら納得感の高いアウトプットを実現します。
これまでご紹介した通り、プロジェクトの成功には「状況に合わせた最適な手法の選択」が不可欠です。
特に、当社のような「継続・伴走型」を行うパートナーには、スクラムとウォーターフォールそれぞれの良さを活かす柔軟な対応力が求められます。
この柔軟性を実現するために、当社では社内の連携体制においても独自の工夫を取り入れています。
その中で、継続的な支援を支えるための2つのコミュニケーション基盤をご紹介します。
複数の施策が長期間にわたって進行する場合でも混乱が生じないよう、タスク管理には「Asana(アサナ)」を活用しています。「誰が・いつまでに・何を」するかが常に可視化されているため、急な変更や追加タスクが発生しても、チーム全体が即座に対応できる体制を整えています。これにより、長期的なプロジェクトでも安心してお任せいただけます。
当社はフルリモート体制ですが、バーチャルオフィスツールの「Ovice(オヴィス)」を導入しており、音声によるリアルタイムなコミュニケーションが可能です。
まるでオフィスで隣の席に座っているかのように気軽に声をかけ合える環境があるため、チャットだけでは伝わりにくいニュアンスも瞬時に共有できます。この「物理的な距離を感じさせない密な連携」こそが、当社の継続的な支援を支える基盤となっています。
Webサイト改修やシステム開発における「開発方法」と「管理方法」には、それぞれに適したシーンとメリットがあります。
重要なのは、一つの手法に固執するのではなくプロジェクトの目的やフェーズに合わせて最適なアプローチを選択することです。
Webサイトやサービスは作って終わりではなく、運用しながら育てていくものです。だからこそ、私たちのような「伴走型」のスクラム体制が、長期的な成果を出すためには非常に有効であると考えています。
そのようなお悩みをお持ちでしたら、ぜひ一度SynQPartners株式会社にご相談ください。
貴社の状況や目的に合わせ、最適な進め方をご提案させていただきます。