この記事では、「色々な施策を試してもECサイトの売上が伸びない」とお悩みの担当者様へ、売上低迷の真の原因を特定するための「四軸フレーム」を活用した分析手法をご紹介しています。
個人の感覚に頼らない論理的なボトルネックの発見から、売上改善に直結する具体的なアクションまで徹底解説します。
ECサイトの売上が伸びないとき、漠然と「何とかしたい」と考えても解決策は見えてきません。売上を構成する要素に分解し、どこにボトルネックがあるかを特定することが改善の第一歩です。
ECサイトの売上は「流入数 × 購入率 × 客単価」の掛け算で構成されます。売上が上がらない原因は、この3つのうちいずれか(または複数)に問題があるということです。
さらにSynQ Partners株式会社では、この3要素を四軸に分解して改善を進めています。流入(集客)、回遊(導線)、購入CV(転換率)、客単価の四つの軸です。回遊を独立した軸として扱うのは、「サイトに来たけど商品を見つけられずに離脱する」というECサイト特有の問題が非常に多いためです。
そもそもサイトへの訪問者が少なければ、商品がどれだけ良くても売上にはつながりません。
流入が少ない原因としてよくあるのは、SEO対策が行われていないこと、広告を出稿していないこと、SNSからの導線がないことなどです。
まず確認すべきはGoogle Search Consoleのデータです。自社サイトがどのキーワードで検索結果に表示されているか、その表示回数とクリック率はどうかを確認します。表示されているのにクリックされていない場合は、タイトルタグやメタディスクリプションの改善が効果的です。そもそも表示されていない場合は、テクニカルSEOの見直しとコンテンツSEOへの取り組みが必要です。
流入はあるのに商品ページがほとんど見られていない場合、サイト内の回遊に問題があります。
よくある原因は、ナビゲーションがわかりにくい、カテゴリ構造が複雑すぎる、サイト内検索の精度が低い、関連商品への導線がないことです。
GA4で「ページ別の閲覧数」と「直帰率」を確認しましょう。トップページやカテゴリページの直帰率が高い場合は、そのページから先への導線が機能していない可能性があります。
特に商品数が多いECサイトでは、ユーザーが「欲しいものが見つからない」という理由で離脱するケースが非常に多いです。カテゴリの整理、絞り込み機能の改善、関連商品の表示は、回遊率に直接的な効果をもたらします。
商品ページまでは見られているのに購入に至らない場合、コンバージョンに問題があります。
原因として考えられるのは、商品ページの情報が不足している、写真のクオリティが低い、価格の表示がわかりにくい、カート周りの操作性が悪い、決済手段が限られているなどです。
商品ページの閲覧数に対するカート追加率、カート追加数に対する購入完了率を段階的に確認することで、どの段階で離脱しているかが見えます。
商品ページで離脱している場合は情報の充実が必要です。カートで離脱している場合は購入フローの改善が必要です。課題の場所によって打つべき施策が全く異なるため、データでの特定が重要です。
注文件数はあるが1回あたりの購入金額が低い場合、客単価の改善が売上向上の近道になります。
客単価が低い原因は、商品の単価自体が低いケース、1回の注文で1商品しか購入されないケース、まとめ買いの導線がないケースに分かれます。
関連商品の提案、セット商品の作成、ボリュームディスカウントの設定、送料無料ラインの設計など、客単価を上げる施策は多岐にわたります。
四つの軸のうち、どこから手をつけるかは「今ある流入を最大限活かす」という考え方で決めます。
流入がある程度あるなら、まず回遊と購入CVを改善する。今来ている訪問者の受け皿を整えることで、追加投資なしに売上が変わります。穴の空いたバケツの穴を塞いでから、水(流入)を増やすのが効率的です。
流入自体がほとんどない場合は、SEO対策や広告による集客を優先します。ただしこの場合も、最低限の商品ページの整備は並行して行うべきです。
ECサイトの売上が上がらない原因は、流入・回遊・購入CV・客単価のいずれかに存在します。漠然と「売れない」と悩むのではなく、データで課題を特定し、優先度の高い軸から改善していくことが成果への最短ルートです。