製造業のマーケティング入門として、オフライン・オンラインの全体像、ホームページ整備、SEO対策、コンテンツ蓄積、リスティング広告、展示会との連携まで、Web活用で新規顧客を獲得する方法を解説します。
「製造業にマーケティングなんて必要ない。良いものを作っていれば顧客はついてくる」。かつてはこの考え方で事業が成り立っていた時代もありました。しかし現在は状況が大きく変わっています。
既存の取引先への依存度が高い企業は、取引先の業績悪化や方針転換の影響を直接受けます。新規顧客の開拓手段を持たなければ、売上は既存取引先の動向に左右され続けることになります。
また、法人の購買担当者の情報収集手段も変化しています。以前は展示会や紹介が主な接点でしたが、現在は検索エンジンで情報を収集し、ホームページで比較検討した上で問い合わせるのが一般的な行動パターンです。Webでの存在感がなければ、検討の選択肢にすら入れない状態になりつつあります。
製造業にマーケティングが必要な理由は、自社の技術力を必要としている企業に「見つけてもらう」ためです。良いものを作る力に加えて、見つけてもらう力を持つことが、これからの製造業には求められています。
製造業のマーケティングは、大きく分けてオフラインとオンラインの二つの手段があります。
オフラインのマーケティングとしては、展示会への出展、業界団体での活動、既存顧客からの紹介、飛び込み営業やテレアポなどがあります。これらは製造業では古くから行われてきた方法で、直接的な信頼構築に優れています。
オンラインのマーケティングとしては、自社ホームページでの情報発信、SEO対策、リスティング広告、コンテンツマーケティング(ブログやコラム)、SNSの活用、メールマーケティングなどがあります。
重要なのは、オフラインとオンラインを対立的に捉えるのではなく、連動させることです。展示会で名刺を交換した相手がホームページを見て詳細情報を確認する、ホームページから資料請求した見込み客に営業がフォローする、といった連携が効果を最大化します。
本記事では、製造業においてこれからWebマーケティングを始めたい企業が何から取り組むべきかを解説します。
Webマーケティングの起点は自社ホームページです。広告やSEOで集客しても、受け皿であるホームページが整備されていなければ、せっかくの訪問者を逃してしまいます。
製品・サービスの情報を充実させます。スペック、用途、対応可能な加工、ロット条件、納期の目安など、見込み客が比較検討に必要な情報を網羅的に掲載します。
技術力を示すコンテンツを用意します。設備一覧、品質管理体制、資格・認証情報、加工事例など、自社の信頼性を伝えるページを整備します。
問い合わせへの導線を設計します。全ページから問い合わせフォームに到達できるよう、ヘッダーへのボタン設置、各ページ末尾へのCTA配置を行います。
製造業のホームページで成果を出すためのポイントについては、別記事でも詳しく解説しています。
ホームページが整備できたら、検索エンジンから見込み客を集客するためのSEO対策に取り組みます。
テクニカルSEOとして、サイトの基盤を整えます。全ページのタイトルタグに検索キーワードを含める、メタディスクリプションを設定する、サイトマップを作成してSearch Consoleに送信する、ページの表示速度を改善する、といった基本的な設定を行います。
コンテンツSEOとして、見込み客が検索するキーワードに対応した記事を作成します。自社の技術領域に関する解説記事、製品の選び方ガイド、業界の課題に対する解決策の紹介など、専門性の高いコンテンツを継続的に公開します。
SEOは即効性のある施策ではなく、効果が出るまでに3〜6ヶ月程度かかります。しかし一度上位に表示されれば、追加のコストなしで継続的に見込み客を集客できるため、中長期的には最も費用対効果の高い集客手段です。
製造業のWebマーケティングにおいて、最も強力な武器は専門性の高いコンテンツです。
製造業は他の業界と比べて、発信できる専門情報の量と質が圧倒的に豊富です。素材の特性、加工方法の違い、品質管理の手法、業界規格への対応など、メーカーだからこそ書ける情報は、見込み客にとって非常に価値があります。
ブログやコラムでこれらの情報を継続的に発信することで、検索流入の入口が増えるとともに、「この分野に詳しい会社だ」という専門性への信頼が構築されます。
コンテンツのテーマは、営業担当が顧客からよく受ける質問をベースにするのが効率的です。顧客が知りたいことは、見込み客も知りたいことであり、そのまま検索キーワードにもなります。
更新頻度は月1〜2本でも構いません。量より質を重視し、一つひとつの記事で読者の課題を解決できるコンテンツを作ることが重要です。
SEOの効果が出るまでの間、リスティング広告で集客を補完することも有効な手段です。
「○○加工 依頼」「○○ メーカー 見積り」のような、購買意欲の高いキーワードに広告を出稿することで、即座に見込み客をホームページに集客できます。
製造業のリスティング広告は、BtoC向けの広告と比べてクリック単価が高い傾向がありますが、1件あたりの受注金額も大きいため、費用対効果は十分に合うケースが多いです。
広告で集客した見込み客をホームページで受け止め、問い合わせにつなげるためには、ランディングページ(LP)の設計も重要です。広告のキーワードと一致した内容のページに誘導し、問い合わせフォームへの導線を明確に設計します。
展示会は製造業にとって重要な営業機会ですが、展示会で獲得した名刺の多くが活用されずに終わっているのが現実です。
展示会で交換した名刺の相手に、後日メールでホームページ上の技術情報や事例ページを案内することで、展示会の接点をオンラインに延長できます。
展示会前にホームページのコンテンツを充実させておけば、「展示会で話したあの技術の詳細はこちら」と案内するだけで、商談への移行率が上がります。
展示会で得たリード情報を社内で一元管理し、定期的にフォローする仕組みを作ることで、展示会の投資対効果が大幅に改善されます。
製造業のマーケティングは、ホームページの整備→SEO対策→コンテンツの蓄積という順番で段階的に進めるのが現実的です。良いものを作る力にプラスして、見つけてもらう力を持つことで、既存取引先への依存を減らし、新規顧客を継続的に獲得できる体制が築けます。
とはいえ、SEOの技術的な対応やコンテンツの企画・制作を通常業務と並行して進めるのは、社内のリソースだけでは難しいという声をよくいただきます。SynQ Partners株式会社では、製造業のWebマーケティングに関する実践的な情報を発信するとともに、ホームページの改善からSEO対策、コンテンツ制作まで一貫して対応する支援を行っています。新規顧客の獲得にお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。