この記事では、製造業向けにBtoB ECサイトの構築手順とサイト設計のポイントを解説しています。法人取引特有の掛売りや顧客ごとの価格設定に対応するためのカート選びから、アナログな受発注業務をオンライン化して効率化するコツまで、BtoB EC成功の秘訣を紹介します。
製造業がECサイトを構築する際、BtoC向けのECサイトの知識をそのまま適用すると失敗するケースが多くあります。BtoB ECにはBtoC ECとは異なる特有の要件があるためです。
BtoCでは個人が「欲しい」と思った瞬間に購入しますが、BtoBでは複数の担当者が検討し、上長の承認を経て発注するプロセスを踏みます。つまり、サイトに来た人がその場で購入するとは限らず、「情報を持ち帰って社内で検討する」ことが前提になります。
BtoCではクレジットカードが主流ですが、BtoBでは掛け売り(請求書払い)が一般的です。法人向けの決済手段を用意できていないと、購入フローで離脱される原因になります。
ロット数に応じた割引、法人向け特別価格、定期注文の割引など、一律の価格表示では対応できない要件が発生します。
これらのBtoB特有の要件を踏まえると、製造業のECサイトに必要な機能が見えてきます。
大口注文や別注品の問い合わせを受けるために必須です。既製品はカートで購入できても、ロットが大きい場合や仕様変更が必要な場合は、フォーム経由での相談が必要になります。
法人向けの価格を会員限定で表示したり、購入履歴から再注文を簡単にしたりといった対応が可能になります。
製造業のECでは特に重要です。「10個で○円、50個で○円、100個で○円」と比較しやすい形で表示することで、まとめ買いを促進できます。
法人顧客にとっては重要な情報です。特に製造業の場合、在庫品と受注生産品で納期が大きく異なるため、商品ページで明示しておくことが信頼感につながります。
製造業のBtoB ECで最も重要な設計上のポイントは、「カートでの購入」と「フォームでの問い合わせ」の両方の導線を設計することです。
既製品でロットが小さい場合は、カートに入れてそのままオンラインで購入完了を目指します。一方、別注品や大口注文、オーダーメイド仕様の相談が必要な場合は、問い合わせフォームからリードとして獲得し、営業担当が対応します(インサイドセールス)。この二つの導線をサイト上で明確に分けることで、どちらのニーズにも対応できるサイトになります。
具体的な実装方法としては、ECサイトのカート機能とは別に、問い合わせフォームを設置する方法があります。ECプラットフォームの機能だけでは対応が難しい場合は、WordPressなどのCMSでフォームをカスタマイズ・構築し、ECサイトからリンクで誘導する設計も有効です。
BtoB ECの要件を踏まえたプラットフォーム選定のポイントです。
ShopifyはBtoB向けの機能拡張が進んでおり、Shopify Plusでは法人向け価格の設定や卸売機能が利用できます。アプリによるカスタマイズも豊富で、見積りフォームや請求書払い対応のアプリも充実しています。
makeshopは法人向け機能もオプション搭載されており、BtoCだけでなくBtoB ECの構築にも適しています。掛け売り対応やロット販売の設定が比較的容易に行えます。
EC-CUBEはカスタマイズの自由度が最も高く、独自の受発注フローや基幹システムとの連携が必要な場合に適しています。ただし開発コストは他のプラットフォームより高くなるため注意が必要です。
BtoB ECのSEOは、BtoCとは異なるアプローチが必要です。
検索ボリュームはBtoCより小さくなりますが、コンバージョン率は高い傾向にあります。「○○ 業務用」「○○ 法人向け」のようなニッチなキーワードで上位を取れば、購入意欲の高い法人顧客を効率的に集客できます。
また、製造業ならではの専門知識を活かしたコンテンツは、競合との差別化に直結します。素材の特性、用途別の選び方ガイド、導入事例など、法人顧客の意思決定を助けるコンテンツを充実させることで、SEO上の評価と信頼性の両方を高められます。
製造業のBtoB EC構築は、BtoCの知識だけでは対応できない独自の要件があります。法人顧客の購買プロセスを理解した上で、購入とリード獲得の両軸を設計し、製造業ならではの専門性をコンテンツとして発信していくことが、成功への鍵です。当社は製造業をはじめメーカーECへの支援実績もございます。
ECサイト改善に必須となるSEO対策やリード獲得施策、UIデザインやサイト内導線の強化などを検討されている企業様は、お気軽に当社ご相談ください。