Webサイト改善の施策事例

売上ゼロから年商数千万円へ。BtoB向けの印刷通販サイトを、カート注文だけでなく問い合わせから注文につなげる設計に

業種:印刷業 従業員数:20〜100名
  • SEO対策
  • ページリニューアル
  • CV最適化
  • UI/UX設計
  • 情報設計(IA)

こんな状態のサイトに向けた事例です

  • サイトはあるが、注文がほとんど来ない
  • 商品やオプションが多く、注文フォームが複雑になっている
  • サイトの入口が「注文する」しかない
  • 同業のサイトを見ても、参考になるものが少ない
課題
サイトはあるが宣伝も機能も最低限で、流入も注文もほぼなかった
提案
注文フォームを作り直し、注文の前に問い合わせできる入口を複数用意した。あわせてSEOを土台から組み直した
変化
このリニューアルを軸に、2年弱で売上ゼロから年商数千万円規模へ。サイトが会社の柱の事業の一つになった

取り組みの全体像

この事例では、注文フォーム、問い合わせの入口、SEOの3つを見直しました。それぞれで何をしたか、どのように決めたかを下の表にまとめています。

対象 何をしたか 決め方
注文フォーム 商品とオプションの選び方を作り直した 同業100サイト以上に加え、業界の外のサイトまで調査
問い合わせの入口 資料請求、お問い合わせ、サンプル請求、データ無料チェックを用意した 事業部とのディスカッション
土台:SEO サイト全体の構成を設計し直し、実装時に技術面を整えた サイトマップの段階から設計

この事例でいう「問い合わせ」は、資料請求、お問い合わせ、サンプル請求、データ無料チェックなど、注文の前に相談や確認ができる入口のことです。

導入前の状況

サイト:あるだけで、使われていなかった

通販サイトそのものはありましたが、宣伝はしておらず、機能も最低限でした。検索からの流入もほとんどなく、注文はほぼ入っていない状態でした。

注文フォーム:商品もオプションも多い

扱う印刷物は複数の種類があり、それぞれにサイズや素材、加工などのオプションを多数選ぶ必要があります。選ぶ項目が多いぶん、注文フォームはどうしても複雑になります。

入口:「注文する」しかなかった

BtoBの印刷は、注文すること自体は決まっていても、仕様や仕上がり、手元のデータで印刷できるかなど、事前に確かめたいことが多い買い物です。それでもサイトの入口は「注文する」だけで、確かめたいことがある人の受け皿がありませんでした。

設計判断

1.注文フォームのお手本を、業界ではなく条件で探す

まず同業の印刷通販サイトを100サイト以上調べました。ただ、選ぶ項目の多い注文を、わかりやすく入力させているサイトは、同業の中にはほとんど見つかりませんでした。

そこで、お手本を「業界」ではなく「条件」で探すことにしました。条件は、複数の商品から選び、さらにオプションも多数選ぶ必要がある購入であること。あわせて、市場が大きく、ネットでの販売に力を集中している業界なら、入力画面は相当磨き込まれているはずだと考えました。

この条件に合ったのが、ネットで申し込む保険でした。保険は、プランを選び、特約などのオプションを重ね、条件を入力していく買い物です。総合印刷の通販サイトとあわせて調べ、次のような作りを取り入れています。

  • 商品の選び方:最初に選ぶものを絞り、比べやすく見せる
  • オプションの選び方:選んだ内容に応じて、次に選ぶ項目を出し分ける
  • 細かい情報の見せ方:補足説明はアコーディオン(開閉式の表示)にまとめ、必要な人だけが開けるようにする

注文フォームのUI再設計例

商品ごとの入力欄を開閉式にまとめ、素材を選ぶと詳細の入力欄が使えるようになる注文フォームのイメージ。加工オプションは希望する場合だけ開いて選ぶ
注文フォームの設計。オプションを順に選び、補足はアコーディオンにまとめている

2.注文だけでなく、問い合わせの入口を置く

BtoBの購入は、個人の買い物と比べて流れが複雑です。担当者が候補を探し、仕様を確かめ、上司の承認や相見積もりを経てから注文に至ります。サイトを見たその場で注文まで進む人は、ごく一部です。そのため、BtoBのサイトでは、購入までの途中に段階を設ける必要があります。

そこで、注文の導線は残したまま、その手前に問い合わせの入口を複数用意し、問い合わせから注文につなげる形にしました。

入口 応える不安
資料請求社内で比べたり、検討したりする材料がほしい
お問い合わせ仕様や納期を相談してから決めたい
サンプル請求素材や仕上がりを、実物で確かめたい
データ無料チェック手元のデータで、問題なく印刷できるか確かめたい

単体で最も効果があったのは、事業部の方からのアイデアでした

問い合わせの種類は、事業部の方と話し合いながら決めました。当社が競合調査をもとに入口の案を出し、事業部の方からも、日々お客様とやりとりする中で見えている不安をもとにした案をいただきました。

入口ごとの反応を見ると、単体で最も効果があったのは、事業部の方からいただいたアイデアでした。買う人がどこで迷っているかは、毎日お客様と接している現場のほうがよく知っています。分析から組み立てる案と、現場の実感から出る案をあわせて試せたことが、入口の設計がうまくいった理由だと考えています。

事業部側の対応が増える可能性も、事前にお伝えしていました

問い合わせの入口を増やし、ヘッダーに電話番号も置いたため、事業部側の対応が増える可能性がありました。そのことを事前にお伝えしたうえで、この時期は対応の効率より、注文を一件でも増やすことを優先する方針で合意していました。

ヘッダーのUI再設計例

ヘッダーとトップページの最初の画面に、自動見積もり・注文の入口を残したまま、電話、見積り依頼、サンプル請求、データ無料チェック、資料請求、お問い合わせの入口を配置したワイヤー
問い合わせの入口の配置。注文の導線は残したまま、その手前に相談や確認の入口を置いている。図の「リード①〜③」が相談や確認の入口、「CV導線」が注文の入口にあたる

取り組み:SEOは、サイトマップの段階から

流入を増やすため、SEOの設計も全面的にやり直しました。最初にサイトマップを作る段階で、主要なテーマのまとめページと、それにつながる個別ページの関係を設計しています(トピッククラスター)。そのうえで、実装の段階で、ページ構造やタグなどの技術面を整えました。

サイトマップの設計例

トップページの下に主要なテーマごとのまとめページを置き、それぞれのまとめページに関連する個別ページをつなげたサイトマップのイメージ
サイトマップの設計イメージ。主要なテーマごとのまとめページに、関連する個別ページをつなげている

その結果、軸のキーワードで80位前後だった検索順位が、1ページ目まで上がり、検索からの流入が増えました。注文フォームと問い合わせの入口の作り直しも当社で実装まで行ったため、設計した構成をそのまま形にできています。

改善施策の結果について

検索からの流入が増え、問い合わせの入口から注文につながる流れができました。

流入も注文もほぼなかったサイトは、このリニューアルを軸に改善を重ね、2年弱で年商数千万円規模の事業に育ちました。いまでは会社の柱の一つになっています。

支援の概要

業種
印刷業(BtoB向けの通販サイト)
従業員数
20〜100名
カートシステム
EC-CUBE
支援期間
1年程度(本施策のみ。その後も複数の施策で継続して支援)
担当範囲
競合調査、注文フォームと問い合わせの入口の設計・実装、SEO(サイト構成の設計・実装)
関連する支援
ECサイト改善、BtoBサイト改善

※記載の内容は支援当時のものです。

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